韓国キムチに関するお話
エンパイア飛行艇の前部胴体は二層構造になっていて、機首部には係留具を納めた部屋があり、その上がコクピットになっていた。
その後ろに通信室があり、郵袋を収めた郵便室に続く。
ここにはシップークラーク(受付係)席が設けられていた。
シップークラークとは今のパーサーだ。
ここまでが上層部にあたる。
下層部へ行くと、まずはコクピットと通信室の下側に当たるのが前方キャビンで、スモーキングーキャビンと呼ばれた。
食事ができるテーブルと、ソファタイプのシートが七席用意されており、夜間はベッド四床に変わった。
その後ろが乗降口に続く通路。
次に右舷にキッチン、左舷に男性用化粧室と女性用化粧室がそれぞれ配置され、上層に上がるためのハシゴがキッチン後方にあった。
その後ろに中央キャビン、プロムナードーキャビンが続く。
中央キャビンには、リクライニングーシートが三席あり、夜は二段式ベッド四床になる。
プロムナードーキャビンは、エンパイア飛行艇最大の呼び物で、リクライニングーシート八席(夜間はベッド四床)が置かれ、その左舷側かプロムナードデッキになっていた。
壁に沿って手すりが設けられたプロムナードである。
飛行船以外に、プロムナードデッキを備えた空飛ぶ乗り物は、エンパイア飛行艇だけだった。
当時の陸上機には、夢のまた夢だったのだ。
前方キャビンの窓は船のような丸窓だったが、プロムナードの窓は縦長の大きな角型窓で、ここから眺める眺望が売り物たった。
景色を愉しむために双眼鏡の貸出しサービスもあった。
広々としたキャビンの空間と、未知の大洋と大陸へ向かうエキゾチシズムが、飛行艇の旅のロマンだったのである。
後部キャビンがプロムナードーキャビンに続き、六席(夜間はベッド四床)が設けられていた。
その後ろが郵袋、貨物、乗客の荷物を収納する貨物室になっていた。
”空飛ぶ豪華ホテル”ボーイング314 島を結んで飛ぶことができた太平洋と違い、大西洋ルートにはさらなる航続性能が要求された。
そこでパンアメリカン航空は、より大型で航続距離の長い飛行艇を求めた。
これに応えたのがボーイング314だ。
空飛ぶ豪華ホテルと呼ばれた大型飛行艇である。
一九三八年に初飛行、三九年四月に太平洋線、五月に大西洋線の定期郵便ルートが、六月には定期旅客ルートが開設された。
314が六機、改良型のA1314が六機作られた(後に全機A−314に改造)。
スペックは、全幅四六・三三メートル、全長三二・ごニメートル、全高八・四一メートル、ヱハ○○馬力のライト製サイクロン14エンジンを四基装備。
最大速度時速三一九・八キロメートル、巡航速度二九五・八キロメートル、航続距離八三六〇キロメートルの超長距離性能を誇った。
乗員一〇人、乗客最大七四人乗り(ベッド装備では四〇人)と、規模においてもそれまでの飛行艇を圧倒していた。
当時としては、世界最大の航空機だったのだ。
ボーイング314は、パンナムークリッパーの伝統にのっとって、ホノルルークリッパー、カリフォルニアークリッパー、ヤンキー・クリッパー、アメリカンークリッパーなどとそれぞれ命名された。
また、ボーイング314は、豪華飛行艇マーチンM130、ショートS23と同じ二層構造になっており、上層にはまず広々としたコクピットがあった。
その後方に貨物室、乗員室、二つの乗客荷物室が、胴体後部まで配置されていた。
長距離飛行のために二組のクルーが乗り組んだので、ベッドも備えた乗員室があったのだ。
下層は一一のコンパートメントに分かれていて、その最前部にもベッド付きの乗員室があった。
この乗員室の後ろから、中央に通路のある、広々とした長い乗客キャビンが後部まで続く。
次のコンパートメントが、一〇席配置(またはベッド六床)のスタンダードーキャビンだ。
続いて右舷にキッチンとバー、左舷に男性用化粧室があり、その後ろがI〇席のスタンダードーキャビン。
次にダイニングサロン兼ラウンジがあり、そこにはテーブル五つに、椅子が一四席配置されていた。
ここでスチュワードのサービスによって、ゆったりと食事を楽しむことができた。
さらにその後方に、乗客キャビンのコンパートメントが三つ続く。
一〇席(またはベッド六床)のスタンダードーキャビンが三つだ。
その後方は、右舷側か四席(またはベッドニ床)の特別キャビンで、左舷側は女性用の化粧室になっていた。
その奥、最後部のコンパートメントが、パンナムークリッパー314最大の特徴である、デラックスースイートと呼ばれたキャビンである。
ここは、新婚旅行客専用室で、昼間はソファタイプのシートが六席配置され、夜間はベッドニ床となった。
当時のアメリカでは、常夏のハワイ(まだ州ではなかった)が、ハネムーナーにとって最大の憧れの地。
パンナムークリッパーの太平洋線、サンフランシスコ〜ホノルルに搭乗するのが、彼らの夢だったのだ。
そのデラックスースイートは、ホテルーリッツやウォルドルフーホテルのスイートに比肩するとまで称えられた。
「空飛ぶ豪華ホテル」と呼ばれた所以である。
ところが、飛行艇による優雅な空の旅は、第二次世界大戦の勃発で暗雲がたちこめ、太平洋戦争開戦後には314全機が軍に徴用された(運航はパンナム)。
また、そのうち三機が英国政府に売却され、BOACによって西アフリカ線に就航したが、最後(一九四八年)までボーイング314を定期ルートに使用したのは、パンナムではなく、このBOACたった。
パンナムは、戦後の長距離旅客機の主役は、飛行艇ではなく大型陸上機になると判断、かつての栄光のクリッパー飛行艇に見切りをつけ、一九四六年でその運航を終えたのである。
空の豪華客船時代の第二章はこうして幕を閉じる。
ボーイング377ストラトクルーザー 第二次世界大戦で、レシプローエンジンのプロペラ機は、技術的な頂点を極めた。
爆撃機の開発によって大型機も実現、また戦時中に世界の飛行場が整備されたことにより、陸上大型機の離着陸も可能になったのだ。
そこで戦後のエアライナー(旅客機)にも、陸上機の時代がやってきた。
エンジンを四基装備した長距離用エアライナー、ダグラスDC−6B、DC−7C、ロッキードーコンステレーションーシリーズが世界の空の主流になったのである。
大戦後からジェット旅客機が普及する一九六〇年代はじめまで、民間航空の主役は大型四発プロペラ機たった。
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